こんにちは!クライミングブロガーさとしです。
今回はめちゃくちゃ有名な
荻窪にあるB-PUMPが繁盛している理由を考察してみました。
僕は神奈川にあるクライミングジムで5年間ジムスタッフとして働いてきました。
その経験をもとに考えてみました。
ボルダリングジムB-PUMP荻窪店が繁盛する理由。元ジムスタッフが考察

僕自身もお客さんとして荻パンには何度も言っておりますが、
いつ行ってもお客さんは多く賑わっています。
ジムの作り方としてはとても参考になることが多いですよね♪
B-PUMP荻窪店が売っているもの

荻パンが売っているものとはなんでしょう?
・面白い課題?
・クライミングシューズ?
・チョークバッグ?
たしかにコレラも荻パンの商品ですが、、、
荻パンが売っているものは
「荻パンで登っていれば強くなれそうという期待」です。
新しいホールド、毎月変わる質の高い課題、辛めのグレード感、そして世界で活躍するクライマーがトレーニングに来る環境。
これらの環境に触れることで、登りに行ったときに
「あ、ここで登ってたら強くなれそう」と思ってしまいます。
ワールドカップで活躍するようなクライマーが身近にいることで、
見に行きたいと思うし、憧れの対象にもなります。
イチローとキャッチボールしたら、モチベーションめっちゃ上がりますもんね(笑)
強い人がたくさん来るので目標を立てやすいのです。
もちろん優しいグレードもあるので、ボルダリング経験者であれば登りにいって楽しめます♪
しかし、これからボルダリングを始めようとする初心者の人にとってはつらい環境でもあると思います。
周りにすごい人がたくさんいると萎縮してしまいますからね(‘Д’)
でも、それも荻パンはしっかりとターゲット層を決めているからだと思います。
荻パンのターゲット層

荻パンのターゲット層は
・ボルダリングをメインにする人
・20代のグループ
・コンペ中心に強くなりたい人
・キッズ
と言ったところでしょうか。
ボルダリングをメインにする人
「純度100%のボルダリングにようこそ」というコンセプトで作られている荻パン。
壁もボルダリングのみで、色々な角度の壁が用意されている。
20代のグループ
課題の動きが飛んだり跳ねたりを多くして比較的若めの世代を狙っていることが分かる。
また、全てラインセットにして見栄えを良くしているので、グループで来てお互いに動画で取り合うなんて姿も良く見られている。
そこからのSNSによる拡散も図られており、広告としても成功していますね♪
コンペ中心に強くなりたい人
センターに構えるコンペ壁。
ステージ上になっており、特別感を感じる。
実際にコンペも開催されているし、課題の携行もコンペよりにしていることで、
コンペティターが登りに行きたい!という空間になっている。
コンペ壁の横にあるタイマーなども、ニーズに応えている。
細かいところまで徹底的に狙いこんでいてすばらしいと感じた。
キッズ
荻パンんではキッズスクールを行っており、
キッズもしっかりと狙っている。
荻パンの差別化は商品軸

差別化を図るときには3つの軸がある。
・手軽軸:安い、早い、便利など
・商品軸:最新技術、最高品質
・密着軸:客に寄り添う。好み通りにしてくれる。お客をよく知っている。
クライミングジムによって売りはそれぞれだ。
駅から近く便利でなおかつ安いなど、スタッフがお客さんに熱心に教えていたり、一緒に楽しむ。
荻パンで言えば完全に商品軸だ。
新しいホールドに質の高い課題。都内の競合のジムと比べても商品軸にコストをかけて差別化を図っている。
駅から近く便利という面では手軽軸も入っているが決して料金が安いわけでもない。
というより、安くする必要がない。
それだけの価値を提供できているから、安くせずともお客さんが入っているのだ。
どの軸がいい悪いとかではなく。
お客さんが得られる価値と一貫性があることが重要だ。
「荻パンなら強くなれるかもしれない期待」という価値においては、
スタッフが仲良くしてくれる必要はなく、質の高い課題と課題の切り替わりの早さ、
コンペ壁、新しいホールドに触れる、強い人が来て目標を立てやすい。などなど。
駅から近くして、便利さを保ちはするが、料金を安くする必要はまったくないのだ。
手軽軸、密着軸で上回っているジムは多数あるが、商品軸においては荻パンが強いと思う。
物販にも力をいれているのも荻パンの特徴だ、
ジムに併設してあるショップはジムに訪れた人全てがショップの中を通らなければ受付に行けないという動線もすばらしい。
荻パンの広告

B-PUMP荻窪店の広告は主にSNSだ。
世界で活躍するクライマーがトレーニングに訪れ、登りの動画をSNSで投稿する。
それを見た僕らは挑戦しに行きたくなり、ジムに訪れる。
そして、お客さんも自ら動画をとりSNSに投稿していく。
これは20代をターゲットにしたがゆえに、SNSでの広告が最大限効果を発揮しているように思える。
全国に無料で広告が打てるってのは強い。
このブログ記事も荻パンの広告になってしまった(笑)
もし、50代をターゲットにしていたらSNSでの広告はほとんど意味をなさないはずだ。
ジムによっては平均年齢の高いジムもある。
そこでSNSで発信をしていても意味がない。
何が効果的かは試してみないと分からないが、チラシの折り込みでもいいだろうし、メルマガでもいいかもしれない。
とにかく、お客に与える価値、ターゲット、差別化がしっかりと一貫性があるジムは繁盛していると感じる。
20代をターゲットにしたのに、駅から遠ければ車を持たない最近の若者は来るはずもない。
一貫性のないジムはこれからどんどん淘汰されていくだろう。
まとめ
お客に与える価値、ターゲット、差別化に一貫性を持ち、
最大限の価値を提供していけるジムは繁盛していくでしょう。
全国に500以上にも増えたクライミングジム。
2019年になってどんどんつぶれていくジムが増えてきています。
生き残るためには、何をすればいいのか・・・
むずかしいところではありますが。
素晴らしいジムはたくさんありますが、成長してかないジムはこれから厳しくなるでしょうね。
新しいことをどんどん学んでいければ先は見えてくると思います。
ジムとして価値を提供するなら必読な本です。
お客さんはモノではなく価値を買っている。
そんなことを学べますよ♪
多くのジムが盛り上がっていくことを祈っています。

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